Webには情報共有スペースという夢があり、そこでは互いが情報を共有しながら通信し合います。 Webの持つ広範性は最も重要なものです。事実、個人に関するものであれ、一部地域あるいは世 界規模のものであれ、未完成のものであれ、高度に洗練されたものであれ、ハイパーテキスト ・リンクは何にでもつながることが可能です。 また、Webの夢には第2章もあります。人々の暮 らしの中に広く根づいてきたWebは、仕事や遊び、社交といった我々の現実を映し出す鏡(もし くは直接的具体例)となることに因るのです。つまり、一旦インタラクションがオンライン化さ れると、我々はコンピュータでそれを分析でき、オンライン上のどこで何をしているのかもわか り、お互いのより良い作業方法もわかるようになるのです。
例えば、メタブックといえば本に関する本という意味ですし、メタデータといえばデータに関す るデータという意味になります。つまり「メタ」という接頭語はそのもの自身を指すのに使われ ます。ですからWeb上でメタといえば、所有権や著作権、配給権、プライバシーなどの情報に関す るあらゆる情報を意味します。これらのニーズにより、私たちはコンピュータ用に設計されたWeb 上へ情報を載せる方法を開発し、理解できるようにしました。現在HTML形式のWebページは人間が 読めるよう設計されています。将来は、RDF(Resource Description Framework)のWebページも でてくるでしょう。これは我々自身や我々のデータ、そしておそらく我々のすること全てを系統 立てるのに役立つコンピュータプログラムで解読されるものです。
プライバシーに関して私の個人的な見解を申し上げますと、消費者にはデフォルトによる何らか の法的、規則的保護が必要だと思います。W3Cには"P3P"と呼ばれるプライバシーのためのプロジ ェクトがあり、それは万が一の場合にWebサーバにどのように情報が公開されたのかをユーザが 管理できるようにしたものです。P3PはWebサイトにプライバシーに関するポリシーを明記させ、 ユーザには自分の好まないポリシーのサイトに関する警告を自動的に与えます。P3Pプロジェク トをご覧ください。
はい、私自身もオンラインショッピングでいろいろと買い物をしています。私は今のWebショッピ ングは、商品を見つけ価格を自動的に比較することができ電子金融手段が一般化した時に訪れる 大きな変化のほんの一端に過ぎないと考えています。
教育者には自分たちの知識を蓄積し、オンライン上で膨大なマテリアルを供給してほしいと思って います。その多くが、他の手段ではアクセスできなかった発展途上国の人たちにも自由に入手でき るようになることを望みます。そこで我々には2つのことがわかってくると思うのです。ひとつは、 Webマテリアルを最新のものに保つことはかなりの時間と労力を要し、それははじめから創る時以上 の努力を要するかもしれないと言うこと。もうひとつは、教育のプロセスにとって、人や人の智慧 や個人同士のインタラクションといったものがいかに重要であるかということがわかるようになる でしょう。大学にはその図書館以上の意義があるのです。